「 東温アルプスと久万山回廊 」 :顧問のブログからの抜粋
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東温市と久万高原町の境界に横たわる山地が、近年「東温アルプス」と呼ばれるようになった。
その名称がずっと気になっていた。一つは、○○アルプスといった類のネーミングの着想である。
二つは、その「東温アルプス」の主峰ともいうべき「皿ケ嶺」と「石墨山」は大部分と全域が
久万高原町分であることである。第一のことに関しては、昭和33年時点ですでに、旧制松山高等
学校山岳部を指導され、愛媛の近代山岳会指導に尽力された、東温市井内大平に生を受けた故北川
淳一郎氏が次のように指摘しておられる。「全国至る所に何々富士があり、また一時各地に何々
アルプスが出来たのもこの轍だ。人間の心の一面には、こうしたいやなもの、いつの時代、いず
れの国でも免れることが出来ないものとみえる。」(北川淳一郎「四国山岳夜話 上」東雲書店発行)
最近では、市町村合併で、山梨県に「南アルプス市」が誕生したのがその典型であろう。第二のこ
とに関しては、山には、見る側によって、呼称が異なることがある。四国の名山「三嶺」は高知県
では「さんれい」と呼び、徳島県では「みうね」と呼ぶ。地元久万高原町の岩峰は直瀬側からは
小滝山といい、畑野川側では大滝山という。さきの「東温アルプス」1315.8mの山は、東温側では
梅ケ谷山であり、久万高原直瀬側からは、サル口山と呼んでいる。
山を歩く人には、道の整備と案内標識が最も大切であり、東温側では、「さくら山行会」による
毎年の道作りと市による案内板設置がキチンとされている。敬意を表したいと思うし、久万高原側
の遅れを痛感しているのだが、ここで、久万高原側からも、登山道整備や案内板の設置と共に、名称
もつけたいと思う。私的な提案だが、「久万山回廊」というのはいかがだろうかと思う。自然の中で
生きとし生けるものみな、ここを周り歩き、命をつないでいくものでありたいと願うのである。
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